★白内障★
●症状
目の奥が白く濁って、目が見えなくなります。ボールなどを投げても目で追い切れなくなり、反応が鈍くなります。又、歩く時にヨロヨロしたり、物にぶつかったりします。
転倒して、怪我をしないように障害物などは片付けておきましょう。
●予防と治療
高齢になると起こりやすくなります。6歳以前に症状が出てきた場合は遺伝によるものが多いです。
治療は点眼による薬物療法で進行を遅らせる方法と手術で人口レンズを入れます。
手術費は片目で40万円ぐらいと言われております。
★流涙症(涙やけ)★
●症状
涙がたくさん出ていて、目の縁に固まってこびりつき、周囲の毛が変色してしまう状態です。
白いプードルなどの薄い毛色の子は目の内側辺りの毛と皮膚が茶色く変色しています。
これは塩分をふくんでいる涙の細菌が増殖し、毛が変色したものです。
涙やけ自体は病気ではないが、悪化すると皮膚炎になることあります。
●予防と治療
鼻に涙が流れず、全て目が落ちるのは鼻涙菅が詰まっているのが原因です。
治療は細い管を通して、つまりを洗い流します。
抗生物質での薬物治療もありますが、一時的な効果しかありません。涙をつくる腺を取り除く手術もあります。
子犬の頃はまだ涙菅がしっかり形成されていない為、涙が出やすいです。成犬になっても涙が多い場合は獣医に相談してください。
目の周りの毛が目に入ったり、逆さまゆ毛の場合も涙が多くなります。
涙やけを防ぐには、丁寧に涙をふいてあげて、清潔な状態を保つことです。
★外耳炎★
●症状
外耳炎とは、皮膚病の一種で耳の中で細菌や酵母が繁殖して、炎症を起こします。
最初はかゆみが出てきて、耳をこすりつけたり、掻いたり、頭を振ったりします。
炎症が進行すると痛みが起きて、機嫌が悪くなり攻撃的になります。
しきりに耳を振る時は痛がっているのかしれないので、耳の中をチェックして下さい。
耳の中に黄色い耳だれ(うみ)が出ていたら、外耳炎です。
悪化すると中耳炎、内耳炎も発症してしまうので、早めの治療が必要です。
●予防と治療
第一の予防は耳の中を常に清潔にすることです。
プードルは外耳炎が狭く、内部にしわがよっているので、耳垢が溜まりやすいです。
耳の中で細菌が繁殖しないように、耳の中の毛をカンシ等で抜いて、穴の通気性をよくしてあげましょう。
又、垂れ耳の為、通気が悪いので、イヤーローションを使い、こまめに耳掃除して耳の中を乾燥させてあげましょう。
こまめに耳掃除をするのも大切ですが、綿棒を使った場合は汚れを奥へ押し込まないように注意してください。
治療は抗生物質の軟膏を耳の中に塗る方法が一般的です。
早ければ1週間ぐらいで治りますが、重度ですと完治するまでにかなり時間がかかります。
★膝蓋骨脱臼(パテラ)★
●症状
膝蓋骨脱臼とは後ろ足の膝のお皿と膝蓋骨がずれて脱臼を引き起こした状態です。
膝蓋骨が内側にずれる場合と外側にずれる場合があり、プードルは内側にずれる場合が圧倒的に多いです。
特にティーカップサイズなどの小さいサイズの子に膝蓋骨脱臼の傾向が多く見られます。
この病気は先天性と後天性があり、先天性の場合は膝の関節周りの筋肉や骨、じん帯の付着部が生まれつき異常なのが原因。
尚、子犬のころは骨格形成が成長過程のため、膝が緩い(グレード1レベル)場合が多く、成長とともに筋肉や骨が発達してきて、膝がしっかりしてきます。
後天性の場合は落下や打撲、滑るところで激しい運動をして膝蓋骨に強い衝動を受けてしまうのが原因です。
又、骨に関する栄養障害にかかっている場合もあります。
膝蓋骨脱臼になると、膝がまがらなくなったり、炎症からの痛みで足をひきづったり、痛んだ足を浮かせて歩くようになります。
先天性の場合は最初痛みを感じないことが多く、気付かないで長期間が過ぎると、膝関節の周りの筋肉が委縮してしまうこともあります
膝蓋骨脱臼のグレード
進行度 |
症 状 |
グレード1 |
通常、膝蓋骨は正しい位置にあるが、足を伸ばした際に膝の関節を指で内側に押すと外れて、
指を離せば自然に元に戻る状態。見た目の症状は軽症ですが、たまにスキップしたように歩くことがあります。 |
グレード2 |
膝の関節が緩く、不安定な状態です。膝を曲げている状態で脱臼し、足を引きずったように歩く場合があります。
これぐらいのレベルなら、指で膝蓋骨を正しい位置に押し戻してあげると治すことが出来ます。
しかし、この状態を放置していると骨の変形が進み、グレード3になってしまいます。
グレード2になった場合は獣医に診てもらうことをお勧めします。 |
グレード3 |
常に膝蓋骨が脱臼している状態です。指で正常な位置に戻せば一旦、元通りになりますが、
すぐにまた脱臼してしてしまします。よく足を引きずるようになり、大腿骨なども変形してしまいます。 |
グレード4 |
常に膝蓋骨が脱臼状態で、指で押すだけでは元に戻らない状態です。
後ろ足を曲げてうずくまった状態のままジャンプするように歩いたり、体重を前足に乗せて、
後ろ足を浮かせた姿勢で歩くようになります。
重度だと歩く事も出来なくなります。 |
●予防と治療
先天性の膝蓋骨脱臼の場合、遺伝性疾患の可能性が高い為、子犬は信頼のあるペットショップやブリーダーより迎えるようにしましょう。
そして、子犬を選ぶ際は膝の具合を確認することが大事です。
子犬を迎えたら、ワクチンを接種する際などに獣医に膝の具合をチェックしてもらうことをお勧めします。
気付いたら、膝蓋骨脱臼になったいたと言う事にならないためにも早期発見が大切です。
又、犬が滑らないように環境を作ってあげるのも必要です。
滑りやすい場所で激しい運動やソファからのジャンプ、階段の昇り降りなどは膝を痛める原因です。
そのため、階段に滑り止めマット、フローリングにウレタンマットやビニルクッションフロアなどを敷くようにして、膝の負担をやわらげましょう。
ストレッチ運動や水泳で筋肉をつけて、膝をサポートする方法もあります。
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